干支はカンシ、エトは兄弟

ところで、私たちは通常、十二支を干支(えと)と呼んでいますが、干支の本来の意味からは正しくありません。東洋運命学を生み出した古代中国の人々は、この『天地自然の理』が、

天を支配する気(天幹=十干…甲乙丙丁戊己庚辛壬癸)と、
地を支配する気(地枝=十二支…子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥)によって、

時間や空間、そこに存在するものたちに働きかけると考えたのです。この『天幹(干)』と『地枝(支)』をあわせたものが干支です。したがって、『干支』はエトではなくカンシと読むのが正しいのです。

本来のエトは、十干を五行に分類したときの陰陽のことです。陰陽の分別で考えると兄=陽、弟=陰となるので、兄弟(えと)とは陰陽ということなのです。

つまり甲(きのえ=木の兄)は、五行では木性に属し、陰陽では陽性に属する。ということなのです。同様に乙(きのと=木の弟)は、五行では木性に属し陰陽では陰性に属するということです。